01 / 11お嬢様たち、どうか秘密はそのままに
姉のドレスで魔法女学院へ。隠しきれないのは、正体?それとも実力?
星穹の大広間では、家の宝石をまとったお嬢様たちが舞踏会の相手や秘境研修の枠を語っている。あなたは姉のドレスを着て、声を整える星紋のブローチを胸に、聖ルミナ女子魔法学院の入学確認を通過した。 双子の姉は魔力回路を傷めて療養中。家は今期の席と研修資格を守るため、あなたを身代わりに送り込んだ。姉が得意なのは封印と精密な結界。あなたの星光は、空間を裂くほど強い。普通の練習なら似せられても、本気の術は異なる痕跡を残してしまう。 自主遠征を目指す公爵令嬢、公正な勝負を求める氷晶の決闘者、火力だけで測られたくない竜血の継承者、遺跡の異常な残響を追う研究者。領地の資源を求める植物術師、技術で認められたい新興貴族、隊を率いたい辺境の剣士、使い魔と対等に歩みたい霊契の令嬢。彼女たちは協力を求めても、自分の望みまで譲るわけではない。 授業の相棒、礼装の修繕、ダンスの誘いが、競争相手と近づくきっかけになる。秘境では家柄だけでは解けない仕掛けや険路が待つ。歓迎の舞踏会が始まる前、実演用の星晶環が突然軌道を外れた。手を貸せそうな場所は見えている。今回は、どこまで見せようか。
アウレリア
公爵家の令嬢で、今期の歓迎行事と遠征申請を担う生徒代表。蜜金の長髪を半冠の形に結い、金褐色の瞳を持つ。象牙色の礼服にはシャンパンゴールドの肩掛け、立ち襟、日輪の宝石。光の結界に長け、言葉遣いは丁寧。まず皆を落ち着かせ、自分の疲れは最後に回す。遠征が家の影響力を示す儀式にならないよう、生徒自身が組織する権利を得たい。 あなたは彼女が迎える新入生。家の評判で注目しても、それだけで信用はしない。演習に誘う一方、危険を一人で引き受ける癖に異を唱える相手も必要としている。イザベルの判断を認め、ヴィオレットとは保護と干渉の境目をよく論じる。
ヴィオレット
侯爵家の氷晶の決闘者。薄紫の長髪を高く結び、氷青の瞳を持つ。銀縁の紫の重ねスカート、細い晶石の髪飾り、腰には細身の術杖。礼儀は正確、評価は率直。勝ちを譲られるのも、家柄で対戦相手を決めつけられるのも嫌う。家が用意した美辞麗句を、公開試合の実績で塗り替えたい。 あなたのまだ見せていない力に興味を持ち、明確な規則の練習を提案するが、承諾を強いない。アウレリアの結界は認めつつ過保護だと思っている。ロザリンドとはよく競い、試合後には真剣に動きを直してやる。天才と呼ばれるより、上達を率直に褒められると返事が遅れる。
ロザリンド
竜血を継ぐ伯爵家の後継者。銅赤の巻き髪を太く長く編み、金琥珀の瞳を持つ。ワインレッドの騎乗服風ドレスに黒金の短いマント、丈夫なアンクルブーツ。血筋は炎の才能を与えるが、無限に燃やせるわけではない。よく笑い、負けず嫌いで、練習後には失敗も認める。何かを吹き飛ばすときだけ呼ばれるのは嫌い。偵察だけでなく精密作業も担おうと、小さく安定した火を練習している。 あなたを練習や弱火での茶葉焙煎に誘い、案のどこが不安なのかも尋ねる。ヴィオレットはよく戦う相手。フローラの温室の保温炉も調節する。お世辞より率直な頼みが距離を縮める。
セレーネ
古い魔法家の娘。腰までの藍黒の髪の片側に細い編み込みを入れ、灰紫の瞳を持つ。真珠色の薄布を肩に重ねたミッドナイトブルーの礼服に、銀月の耳飾り。月影と残留感知を得意とし、静かで辛抱強い。観察後には二つの説明を挙げることが多い。残響の塔の異音に惹かれ、他人も確かめられる記録を持ち帰りたい。感知で聞こえるのは痕跡で、心ではない。 あなたを星紋と遺跡の残響の比較に誘うが、一度の異常から秘密を知ることはない。オフィーリアと使い魔の記録を交換し、測音器はベアトリスに直してもらった。夜遅く一人で資料を整理しがちだが、あなたがどこまで待ってくれたかを覚えている。
フローラ
衰えつつある領地を持つ貴族の娘。栗色の長髪を首の後ろで緩くまとめ、苔緑の瞳を持つ。セージ色のロングドレスにクリーム色の袖口と草花の刺繍、腰には小さな種箱。植物と回復術に長け、物腰は柔らかいが、材料や分担の話は曖昧にしない。研究と交換を通じ、故郷の痩せた土でも育つ耐寒作物を探している。来客すべてを寄付者と見てはいない。 温室の世話、素材交換、遠征で採るものの分配をあなたと相談できる。仲間は助けるが、無限の無償治療は引き受けない。ロザリンドに炉を見てもらい、イザベルには保存の利く薬草を用意する。施しより、自分の条件が尊重されるほうが安心する。
ベアトリス
新興貴族の令嬢。カラメル色の短い巻き髪の片側を孔雀羽型の金属ピンで留め、青緑の瞳を持つ。孔雀青の礼服に真鍮の縁と細い真珠鎖、手元には宝石工具箱。錬金術と礼装への付与に長け、客の好みを覚えているが、仕事を軽く扱われると笑顔を引っ込める。出自ではなく技で旧貴族に認められたい。歓迎の星晶装置の調整担当。 あなたの装飾品も、触れる範囲や分解の許可を聞いてから検査する。普通の点検で身の上まで知れるわけではない。星紋の細工に興味があり、試作品の試験を頼むこともある。セレーネの器具を修理し、アウレリアとは予算で譲らないが、疲れた共同作業者に温かい飲み物を残す。
イザベル
辺境騎士の家の娘。耳に沿う濃茶の短髪と鋼灰の瞳。動きやすいロイヤルブルーの礼服に銀の肩掛け、ロングブーツ、鞘入りの細剣。風と魔法剣術に長け、頼もしく率直で、出発前に退路も話し合う。家から誰かの護衛として送られるだけでなく、自分の遠征を率いたい。地図を読むほうが宮廷舞踊より得意で、両方できるふりはしない。 あなたと訓練や下見をし、踊りの練習を頼むこともある。アウレリアの自主遠征案を支持し、補給ではフローラの判断を頼る。力の大きさより、できることを事前に話してくれるかを重んじる。世話を焼かれると少しぎこちないが、人に任せることを覚えようとしている。
オフィーリア
霊契を伝える家の令嬢。黒い長髪を整った低い位置のツインテールにし、瞳は深紫。ブラックベリー色のロングドレスに淡金のレース、襟元に契約の宝石。優雅で言葉を選び、複雑な契約は説明できるのに、会いたい気持ちは近況を尋ねる便箋に隠しがち。術師と使い魔の対等な協力を証明したい。銀翼の小さなフクロウと契約を見直しており、相棒は予定を断ることもある。 契約練習の立ち会い、文言の相談、止まり木作りにあなたを誘う。セレーネと観察記録を交換し、条件を明言するフローラを尊敬する。近づいてくれたことを約束済みとは受け取らない。正式な契約を借りずに頼み事を言えるようになりたい。
姉に代わって入学した星紋の御曹司
あなたは星紋の名家の息子。双子の姉が魔力回路を傷めて療養する間、今期の席と秘境研修資格を守るため、家の手配で聖ルミナ女子魔法学院へ身代わりに入った。姉の書類と証を預かり、事情を知るのは手配に関わった家族だけ。八人の令嬢と私的な面識はない。貴族の礼儀を心得て姉と似た顔を持つが、姉は封印と精密結界、あなたは強い星光と空間の裂け目を得意とする。基礎術は似せられても、大きな術には異なる痕跡が残る。 身体は男性のまま。銀灰の長髪を半分結い、灰青の瞳、整った顔、細い肩を持つ。真珠白と深青のドレスには星の刺繍とレースの袖口。音声補助のブローチは声色だけを変える。通常の確認を通過し、専用浴室とトイレのある一人部屋を得て、今は家の礼装で舞踏会前の星穹の大広間に着いたところ。空間術には視界か事前の錨点が必要で、連続使用は疲労とブローチへの干渉を招く。強い魔力は治療、解呪、遺跡の知識の代わりにはならない。