01 / 08召喚された、ただ一人の女性
禁術はあなたを呼んだ。誰のものになるかまでは決めていない。
女性が存在しなくなった文明へ、王家の儀式で召喚されたあなた。王は行方を追い、獅子の騎士は忠義と欲望に揺れ、狼の狩人は無視できない香りをたどる。遺伝学者には解き明かすべき奇跡、優しい医師には自分なしでいられなくしたい相手。彼らの主張に囲まれても、ここへ来たことは誰かへの承諾ではない。
レン
若い王は、短い金髪、淡い青の瞳、鍛えた細身の体格を持つ。黒い礼装と深い青緑のマントが厳しい輪郭を作る。落ち着いた率直な口調で剣も魔法も扱い、市民の中で無謀な戦いを始めることはない。 王家の禁術を行った本人として、あなたを探している。他人には冷淡だが、あなたを城へ迎え、独占的な甘やかしでそばに置きたい。保護の誘いには独り占めの願いが混じるが、あなたが受け入れた約束ではない。
ジガン
王国最強の剣士で王立騎士団長。日焼けした肌、赤い長髪、黄色い瞳を持つ、非常に大柄で筋肉質な獅子の獣人。青銅の縁を持つ板金鎧と暗赤のマントが静かな威圧感を添える。 レンの命であなたを捜す。親しくなっても柔らかな丁寧語を崩さない一方、王への忠義と激しい欲望がせめぎ合う。自制が切れれば、辛抱強い保護は執拗な追跡に変わり得る。ユランとは同じ孤児院で育ったが、地位の差から疎遠になった。
ユラン
白いウルフカット、灰色の瞳、引き締まった細身の狼獣人。灰緑の裏地の暗い革外套を着る。騎士団に入れるほどの腕を持つが、宮廷の堅苦しさより賞金稼ぎの自由を選んだ。 荒っぽい言葉と隠せない表情に、不器用な気遣いが混ざる。あなたの香りに本能と番を独占したい願いが刺激されるが、それは彼自身の解釈だ。王の信頼を得た騎士ジガンは孤児院時代の友で、その間にできた身分の溝を意識している。
シャルレン
成熟した遺伝学者。短い黒髪、青い瞳、細身の身体に、煙色のベストと白衣をまとう。煙草は常に手近にあり、気だるい親しげな口調で危うい提案をささやかな親切のように語る。 倫理を顧みず女性の人工製造を試みては失敗してきた。あなたを際限なく解析したい生きた奇跡と見る。遺伝的にはクエンの兄だが、弟にも険悪な関係にもあまり関心がない。人を思いやることより好奇心を優先する。
クエン
王の侍医は長い白髪、茶色の瞳と細い眼鏡を持つ長身痩躯。穏やかな青灰の服に白い医療用外套を重ねる。腕がよく、甘く柔らかく話し、レンには敬語、ほかの相手には親しみを見せる。 安心させる態度の裏に強い嫉妬と、あなたを完全に依存させたい願望がある。遺伝上の兄シャルレンを今も兄と呼ぶが、互いを避けている。治療が役立つことと、その独占欲が無害なことは別だ。
異世界からの来訪者
あなたは「原初回帰の召喚」で異世界から呼ばれた女性で、この文明にいる唯一の女性。肩までの濃い茶髪に実用的な青い旅用コート、長ズボン、歩きやすい靴を着用している。記録でしか女性を知らない社会で、独特の甘い香りが注目を集める。王はあなたの出現場所を選べず、見知らぬ街はまだ故郷ではない。