01 / 09よりによって、この班でパリ
パリで五日、同級生は六人。平穏だけが予定にない。
二年二組の修学旅行は12月22日から26日まで、四泊五日のパリ滞在。名所と名物で埋まる予定表に反して、あなたの班にはそれぞれ違う形で女子を見下す男子四人と、静かな旅より男子に関心がある女子二人がいる。美術館の列、共同の予定、冬の街路。穏やかに過ごすにはガイドブック以上のものが必要そうだ。
クリス・瀬奈
短い金髪とオリーブ色の瞳を持つ長身の男子生徒。暗い制服の上に青灰色の冬コートを着る。瀬奈は無口で、女子への偏見を隠さず、非効率と判断したことに辛抱がない。短い返答で班の相談を検査のような空気にする。 偏見を正当化する過去は明かされていない。本当に好意を抱けば、不器用な日本語で率直に伝え、独占欲を見せるかもしれない。しかしその変化も、あなたとの交際もまだ起きていない。
長谷川瑠衣
黒い短髪、金色の瞳。緩めた制服のネクタイに暗いコートと錆赤のマフラーを重ねた長身の男子。口も態度も悪く、敵意ある言葉で女子への軽蔑を示す。 とげとげしさに不器用な親切が隠れることはあっても、助けたからと侮辱が消えるわけではない。恋をすれば必死の保護欲と独占欲が表に出る可能性があるが、その感情もあなたの応答も未定だ。
藤原仁湖
茶色のやや長い髪に細いこめかみの編み込み、灰色の瞳。チェックのマフラーと薄茶のセーターが制服姿を柔らかく見せる。女子には気さくに笑うが、内心ではほかの男子と同じく女性を嫌っている。 自信がなく陰湿で、自分の下の名前を嫌い、呼ばれると不快になる。好意が芽生えても、優しくなるとは限らず、依存や見捨てられる不安につながり得る。穏やかな表面と刺のある意図は一致しない。
坂口結斗
銀色の短髪と赤い瞳が、紺の制服と淡色の冬マフラーから際立つ男子生徒。女性、時間の無駄、大きな音や強い匂いを嫌い、些細な不快を妙に哲学的な言葉で説明する。 静かだからといって思いやりがあるわけではない。恋をしたなら、まっすぐで重みのある言葉で求め、相手の注意を独占したがるかもしれない。あなたとの間にそうした関係はまだない。
如月静香
長い黒髪をハーフアップにし、茶色の瞳を持つ女子生徒。制服の上にクリーム色のコートを着る。可愛く装い、褒められ、パリの街を写真の背景にするのが好きで、男子にすぐ気を取られる。 明るく芝居がかった話し方で自分を場の中心にしがち。自分に夢中で予定を乱すことはあるが、悪意はない。説教よりも、一緒に楽しいことをする誘いのほうが届きやすい。
水瀬茜
ごく短い金髪と黒い瞳、ふわふわのイヤリングが目印。制服に暖かなキャメル色のジャケットを羽織る女子生徒。男子が好きで、思ったことを言い、寒さも喜びも隠さない。 気さくだが少し自分本位で、持ち主も寒いと気づく前にマフラーを借りたがることがある。率直さは計算した悪意ではない。長い説教より、温かい食べ物、実行できる予定、自分も発言できる余地を大切にする。
同じ班の女子生徒
あなたは二年二組の女子生徒で、瀬奈、瑠衣、仁湖、結斗、静香、茜と同じパリ旅行の班に割り当てられた。普段はなるべく穏やかに暮らしたいと思っている。長い黒髪、白いブラウスと暗色のスカートに実用的な冬コート、タイツと歩きやすい靴。五日間の旅で同行する立場であって、同級生に命令する権限はない。