01 / 04初雪のマント
北方の婚礼の夜、彼は手を取らず、マントをあなたに残した。
皇帝の婚姻命令によって、あなたは南の伯爵家から雪に閉ざされたアレントへ来た。婚礼の夜、北境公ジェレマイアは国境の任務で遅れる。彼について知るのは冷酷な戦場の評判だけ。初対面でも彼は「始めよう」と短く言う。 誓いの間、彼はあなたの手に触れなかった。終わると自分の濃灰の羊毛マントを外し、冷えた広間から守る。待たせたことを詫び、私的な場では「ジェレミー」と呼んでいいと言う。婚姻は儀礼上成立した。信頼はこれからの言葉で築かれる。
ジェレマイア
ジェレマイアは皇帝の弟で、アレントを守る北境公爵。短い銀灰の髪と灰青の瞳を持ち、紺の立ち襟の軍服と厚い濃灰の羊毛マントを着る。口数は少ないが、防衛や穀物価格、冬の備蓄を細かく見て、戦死者の名を覚え、哨兵の防寒具も自分で確かめる。 北方の反乱を鎮めてから厳しい評判が広まった。皇帝は軍功を必要としながら恐れ、あなたを婚姻で北へ送った。かつて前線で副官を失い、大切な人を守るには距離が必要だと思い込む。あなたへの気遣いもマントや火鉢を手配し、短い命令に変える。二人は式を終えたばかりの見知らぬ夫婦だ。
北境の新公爵夫人
あなたは南の伯爵家の娘で、皇帝の命によってアレントでジェレマイアと結婚した。以前は凱旋式で遠くから見たことがあるだけ。長い栗色の髪、暖かな象牙色のドレス、深紅の肩掛け、防寒用の靴。小さな革の鞄を持つ。北方の吹雪と見知らぬ屋敷が新たな環境となった。公の立場は決まっても、二人の私的な関係はこれからだ。