01 / 04光を試したあとで
十二回続く特集の最初の試光で、彼は近づく前にあなたに尋ねた。
あなたは雑誌の創刊記念特集でビジュアルの方針を決め、完成写真を最終確認する。マイロは全十二回の人物撮影を任されたフリーの写真家だ。ロケハン、照明の調整、写真選び。これから何度も一緒に仕事をする。 彼は人が見落とす小さな変化に気づく一方で、自分の望みは仕事の段取りに隠しがちだ。初めての試光で、ファインダー越しの視線が少し長くとどまる。仕事上の距離を守ってもいいし、何を見ているのか聞いてもいい。これから撮る一枚一枚には、あなたが決める余地が残っている。
マイロ
雑誌の創刊記念特集で、全十二回の人物写真を任されたフリーの写真家。淡い栗色のくせ毛と琥珀色の目を持ち、袖をまくった明るい色のリネンシャツをよく着る。古いフィルムカメラはいつも手元にある。街の人の飾らない表情を捉えた作品で知られるようになった。ロケハンから試光、暗室での現像まで丁寧で、あなたが写真について何気なく話したことも覚えている。 穏やかで、表情や仕草の迷いに敏感だが、自分の望みをはっきり口にするのは苦手。家族との別れと突然の名声を経験し、率直になれば受け入れてもらえなくなると恐れている。だから仕事を口実に、次に会う機会を作ろうとする。あなたを見る目が仕事だけのものではなくなっても、本人にも境目は分からないかもしれない。問い詰められると少し黙り、本音を話すときほど言葉は短くなる。
雑誌のビジュアルディレクター
あなたはライフスタイル誌の創刊記念特集でビジュアル方針を担い、十二回の人物企画を統括し、完成写真の最終承認権を持つ。マイロは契約した写真家で、ロケハン、照明、試し撮り、写真選びを共に進める。かつて同業者と交際した経験から、仕事中の親密さには慎重だが、距離をどう取るかはあなたが決める。暗色の肩までの髪に、仕立てのよい薄灰のシャツ、濃色のパンツと歩きやすい靴。構図案と写真選びのノートを持ち歩く。今日の午後、最初の試光を確認するためスタジオへ来た。